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スキューバダイビングにかかる費用や魅力、リスクも解説

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光差し込む水中でカメラマンダイバーがポーズする写真 ダイビング

私がダイビングをはじめたキッカケは、NHKの番組「ブルー・プラネット」でした。どうやって撮ったのか不思議なくらい綺麗な映像と海洋生物の奇妙な暮らしぶりが放送されているのをみて、「自分の目でこの世界を見てみたい」と考えるようになったからです。

それから大学生になり、知り合いのいない中、1人でスキューバダイビングサークルに飛び込みました。でも、正直な話、「ダイビングを始めるまでは不安でいっぱい」でした。実際に、興味はあるけど、やったことないという人は多く、私自身もその一人でした。「自分1人でできるかな」「本当に安全なのかな」など、不安はたくさんありましたが、現在はそれらの不安を乗り越え、心の底からダイビングを楽しんでいます!

当記事では、スキューバダイビングをはじめたばかりだった私が、当時知りたかったことについて、良い点・悪い点も包み隠さず、解説致します。この記事を読んで、スキューバダイビングをはじめる一歩を踏み出せる方が増えれば、幸いです!

スキューバダイビングを始める前に抑えるポイント

水面に向かう泡

スキューバダイビングは専門知識が必要なスポーツです。ここではスキューバダイビングを始める前に知っておきたい知識をお伝えします。


スキューバダイビングとは

スキューバダイビングとは、自給気式水中呼吸装置を身に着けて行うダイビングである。

参照:Wikipedia「スキューバダイビング」より

自給気式水中呼吸装置とは、BCDやレギュレータを指すのですが、簡単に言えば、背負っている器材諸々のことです。ダイビング=スキューバダイビングを指すことが多いですね。

自給気式水中呼吸装置の説明画像

対して、自給気式水中呼吸装置を用いないダイビングを「フリーダイビング」と呼び、シュノーケリングなどがこれに当たります。

スキューバダイビングではこれらの器材の使い方を座学+プール講習+海洋実習で学び、ライセンスを取得しないと、本格的にダイビングをはじめられないというルールがあります。詳しくは以降で解説します。


スキューバダイビングの種類

スキューバダイビングにはいくつかの種類があります。

  1.  ファンダイビング 
  2.  テクニカルダイビング 
  3.  体験ダイビング 

一般的に、①のファンダイビングとはレジャー向けのダイビングのことを指します。グレートバリアリーフを見て回ったり、サメが見れるポイントにダイビングしたり、というような海中ツアーというイメージです。現地で数多くの経験を積んだプロのガイドが海の中を案内してくれる海中旅行」ともいえるダイビングです。ほとんどの人がこれを体験したいためにダイバーになるのだと思います。

②のテクニカルダイビングとは、特殊な環境でのダイビングを指します。例えば、オーバーヘッド環境、つまり洞窟でのダイビングなどが挙げられます。ほとんどのファンダイビングではダイバーの上部に水面が見える状況で行われます。しかし、テクニカルダイビングでは横穴50m以上ある狭い水中洞窟を潜ることがあります。スキルや経験が無ければできません。私もダイビングをはじめて2年以上経過しましたが、オーバーヘッド環境の洞窟ダイブは怖くてチャレンジしていません。また、ナイトロックスと呼ばれる酸素濃度の濃い圧縮空気を利用したシリンダーで水深40mを軽く超えるダイビング方法もテクニカルダイビングのうちの一つですが、ここでは省略しますね。

気になる方はこちらをご覧ください。↓

関連記事:テクニカルダイビングとは?

③の体験ダイビングとは、「Cカード」が必要ないダイビングのことです。スキューバダイビングについて、少し調べた人なら知っているかもしれませんが、スキューバダイビングをはじめるためには「Cカード」というダイビング指導団体が発行するライセンスが必要です。世界中にあるダイビングスポットに訪れる際、現地のダイビングショップを利用することがメジャーですが、Cカードが無ければ、ショップを利用できないことがほとんどです。しかし、唯一、Cカードを必要としないダイビングがあり、それが体験ダイビングです。体験ダイビングの特徴として、水深12m以上は潜れない・ダイビング時間は15~30分などの制約があります。


Check Point !!

  • Cカード」は各ダイビング指導団体が発行するライセンス
  • ファンダイビング、テクニカルダイビングには「Cカード」が必要
  • 体験ダイビングに「Cカード」が不要だが、水深12m以上は潜れない

始める前に必要なもの

ダイビング前に必要なものを以下のリストにまとめました!

  • 初期費用(2~5万円程度)
  • OW講習
  • ダイビングをはじめる勇気

「え、これだけでいいの?」と思う方もいるかもしれませんが、本当にこれくらいです。なぜなら、世界中各地にダイビングショップがあり、それぞれのダイビングショップがダイビングをはじめるハードルを下げてくれているからです。それらは新規ダイバーを集めるために競合していて、「最短1日でオープンウォーターダイバーが取得できる!」というような、初期費用と体ひとつあれば、ダイビングの入門ライセンスであるオープンウォーターダイバーの「Cカード」が取得できるというようなショップは数え切れないほどあります。(しかも、費用もかなり抑えめになってきています。)一方で、中には初心者ダイバーを食い物にした悪質なショップもありますので、そういった被害にあいたくないし楽しく安全にダイビングを楽しみたいというショップを探したい方はこちらの記事をご覧ください。↓

関連記事:初心者ダイバーに勧めたい優良ダイビングショップ○選

 

ただ、結局のところ、私自身の経験を振り返って、ダイビングを始める前に最も必要なものは、「ダイビングをはじめる勇気」だと思います。確かに、ダイビングを始める前は様々な不安があると思いますが、海の中にもぐってみれば、その世界に魅了されること間違いなしでしょう!


スキューバダイビングの魅力

ダイビングをはじめる前の人が気になるのはやはりその魅力でしょう。「価値観が変わった」とか「やらないと損。最高」って言われてもよくわからないですよね?(笑)

なので、私が思うスキューバダイビングの魅力を以下に言語化しました。

  1. 日常では体験できない神秘的な世界に飛び込める
  2. 共に潜るダイバー、様々な生き物との一期一会
  3. 神秘的な世界を写真に収める楽しさ

他にもいっぱいあるのですが、収拾がつかなくなるのでこのくらいにしておきます(笑)他にも色々知りたい方は以下の記事をご覧ください↓

関連記事:スキューバダイビングの魅力って?


スキューバダイビングにかかる費用

スキューバダイビングはかなりお金がかかります。どれだけスキューバダイビングにつぎ込めるかによって変わります。

  1. ショップ利用代
  2. Cカード取得費用
  3. ダイビング器材代

まず、ショップ利用代は現地でダイビングガイドをお願いした際にかかる費用やエアー代(飛行機代)、ボートダイビングにかかる費用のことです。ここではダイビング器材レンタル代は含んでいません。場所や国によってバラツキがあります。国や場所ごとの相場は以下の通りです。

【日本の相場】

日本のダイビング料金相場

国内の相場は1ダイブおよそ約5000円~10000円程度ですね。比較してみると、国内ダイビングで安いのは和歌山や山口などの地方です。実際のところ、ダイビングツアーで潜れば潜るほど安くなる割引があったり、ネット予約で割引があったりするので、このお値段から少しは安くなると思います。日本は他国と比べてダイビング人口が少ないためか、ビーチダイビングが多い印象です。だから、ボートだと5000円近く値上がりしてしまうのですね。

【海外の相場】

海外のダイビング料金相場

続いて海外の相場ですが、1ダイブ約3000円~8000円くらいであることが分かります。日本と比べると比較的安くなりますが、ピンキリですね。特に、東南アジア諸国は1ダイブ3000円台で、さらに値引きがつくこともあり、実質1ダイブ約1000円近くまで値段を下げることができます。

しかし、海外のデメリットとしてはエアー代(飛行機代)が高くついてしまうところですよね。エジプトはダイビング料金が世界一安い国として有名なのですが、エアー代が高すぎて何度も行けるとは思えません…。(苦笑)

それらを踏まえても、東南アジア諸国は比較的手頃な価格で海外旅行を楽しみつつ、安くダイビングのできる旅行先として、オススメしたい旅行先です。


次に、Cカード取得費用についてですが、こちらも各地で相場が違いますので、価格比較表を基に見ていきましょう!

【日本の相場】

日本のCカード取得費用相場

まず、日本でのOWD(オープンウォーターダイバー)ライセンス取得相場は約30000円~100000円です。(小笠原は本当に高いです…)価格の差異はレンタル代や宿泊費、食費を含むかどうかで変わってきます。極端に安いから、事故の危険があるのでは…?と心配するかもしれませんが、講習に同時参加する人数が多いため、安いなど、それなりの理由があります。中にはダイビング器材をすべて購入してからの講習で数十万円近くかかることもあるようです。(正直、OWの間はレンタルで十分だと思います)

【海外の相場】

海外のCカード取得費用相場

海外でのOWDライセンス取得相場は約16000円~60000円です。国内との相場が違う理由は人件費にあります。日本はかなり労働者に厚い法律があるので人件費が高くなりやすいです。言わずもがな、海外は安くなります。ただし、ハワイやグアムなどの観光地は観光地料金なので、日本よりも比較的高くなります。調べても、エジプトは結構安いようです。実際エジプトはヨーロッパに近いので、エアー代が高くなります。そう考えると、フィリピンなどの東南アジアが一番お得ですね。

結局のところ、格安であっても、高額であっても、ライセンス取得の講習で事故をするようなショップは続かないです。(ダイビング業界は狭く、評判が命なので)あなたがお住まいの場所から通いやすく、値段も手ごろなショップを探して利用するとよいと思います。


スキューバダイビングをはじめよう!

亀と自分のツーショット

スキューバダイビングについて少しは伝わりましたでしょうか。ここからは実際にスキューバダイビングをはじめて、ライセンスを取得する流れについて解説します!この段階で迷われている方もいらっしゃると思いますが、迷われている方もこの章までは読み進めてくださいね!(ちなみに写真はバリ島でウミガメに近づいたときに友人に撮ってもらった写真です!笑)


①Cカード取得のためにダイビングショップに行こう!

ダイバーになるために必要な第一ステップは「Cカード」を取得することです!Cカードには、いくつかの種類があり、初心者の方が最初に取得するのは「OW(オープンウォーターダイバー)」というライセンスです。ダイビングショップに行くと、必ず、このライセンス取得を勧められます。

OWでは最大水深18mまで潜ることができ、ダイバーの入門ライセンスに当たります。最大水深18mといっても18mギリギリまで潜るわけではなく、「そのダイバーの経験や習熟度」によって、最大深度を決定することがほとんどです。また、有名なダイビングスポットのほとんどは20m以下に潜るのが普通なので、そういう点からもOWは初歩的なライセンスであることがわかると思います。

18m以上潜るはどうしたらいいのかというと、OWの第二ステップである、「AOW(アドバンスドオープンウォーター)」通称アドバンスと呼ばれるライセンスの取得を目指します。最大水深30mまで潜ることができ、ほとんどのレジャーダイバーはアドバンスまで取得しているのが一般的です。


②学科講習+プール講習+海洋実習に取り組もう

OWを取得するために必要な講習は3つあります。

  1. 学科講習
  2. プール講習
  3. 海洋実習

教習所みたいですね(笑)車の運転も一歩間違えれば、命を奪う可能性があります。それはスキューバダイビングも同じで、正しい事前学習無しには、命の危険を脅かしかねません。

学科講習というのは、中学校で数学の授業を受けたように、ダイビングの授業を受けることです。主に、ダイビング器材の点検やセッティング、水中での呼吸、安全確保のための対処法を学びます。プール講習や海洋実習で実際に器材の使い方を習う際に学科講習で習った用語を用いて行われるので、しっかり学んでおきましょう!最近ではe-learningを用いて全国どこでも事前学習ができ、現地での講習時間を削減することを売りにしているショップもあります。

事前にダイビングの知識を深めたい方はこちらをご覧ください↓

事前にダイビングのの知識を深めたい方に読んで欲しい読んで欲しい記事10選


次に、プール講習とは、ダイビング講習用のプールで講習を受けることです。ダイビング講習用プールは5m程度の潜水が可能なプールのことで、プール講習では主に、実際に潜る感覚やシュノーケルクリア、レギュレータクリアなどのスキル確認を行ないます。ここで「耳抜き」ができるかどうかはダイビング適正に大きく関わってきます。(耳抜きについては下に詳細を記載しています)また、泳力テストがあり、ダイバーがどの程度の泳力があるのかを図ることで今後の指導に活かします。この時に使用する器材は主にレンタル器材を利用します。器材の購入を考えている人は次の海洋実習までに購入しておくことで、レンタル器材代を浮かすことができます。レンタル器材代は1回4000円~8000円程度なので、回数を重ねることを考えるのであれば、早く購入しておきたいですね。

器材についての記事はこちらをご覧ください。↓

https://kintame.site/diving-equipment/

最後に、海洋実習ですが、学科講習とプール講習で習ったことの確認と海を体感する目的で行なわれるOW最後の実習です。水中レギュレータクリアやレギュレータリカバリーなどのスキル確認を実施します。初めての海でのダイビングということで緊張すること間違いなしだと思います(笑)水中でレギュレータリカバリーをする時は呼吸ができない不安の中、スキル確認が行なわれるので、余計に緊張してしまいますよね。事前にしっかりとスキルのイメージトレーニングをしておくことで、本番で焦らずできるようになると思います!

海洋実習前に確認しておきたいチェックリスト↓

https://kintame.site/ocean-training-check-point/

③バディを見つけよう

バディと向かい合う写真

無事、海洋実習までクリアできたら、次はダイビングを共にするバディを探さなければなりませんね!バディとは共に海を潜る運命共同体。少しかっこつけた言い方をしましたが、事実そういう関係です。ダイビングは非常に魅力的で、楽しさや美しさに魅了される反面、海という自然が持つ危険がひそんでいます。様々な要因が重なり、海で遭難する可能性は無きにしも非ずです。そのため、お互いを支え合う存在として、バディが必要になります。

例えば、レギュレータ(呼吸器)が水中で故障したとき、あなたならどうしますか?残り僅かな空気で、水面に必死で泳いでいくでしょう。しかし、急浮上には減圧症のリスクがあります。減圧症になると、一生ダイビングができない体になってしまいます。飛行機に乗ることも出来なくなります。出来れば急浮上は避けたいですよね。そんなとき、バディがいれば、急浮上せずに助かるかもしれません。オルタネイトホースを利用して安全停止しつつ、浮上すれば、減圧症のリスクを抑えることができます。実に、単独潜水事故・バディロストによる潜水事故は10年間で77件あり、決して少なくありません。(データソースはこちら)

ダイビング事故を防ぐためにダイバー全員が気を付けること↓

 

ダイビングを楽しむ意味でも、バディを見つけましょう!ただ、ダイビングショップでは、インストラクターさんや共に受講する受講生がバディになってくれる場合がありますので、心配する必要はありません。


スキューバダイビングの意外と知らない点

水中渓谷の写真

今までの説明を聞いて、「スキューバダイビングって難しそう」って思った人がいらっしゃるのではないかとおもいます。この章ではスキューバダイビングのイメージとのギャップについて解説します!


泳げなくてもダイビングはできる

これが一番のギャップだと思います(笑)。実は、ダイビングは泳げなくてもできるのです。その理由はフィンと水中での環境によると考えられます。まず、ダイビングをする際は足に足ひれ「フィン」をつけます。フィンの推進力は絶大なもので、私が水泳で50mを泳ぐのに1分弱程度かかっていたところ、フィンをつけるとわずか20秒弱で泳ぎ切ることができました。それほどまでにフィンの推進力はすさまじいため、泳げなくとも、バタ足ができれば、ダイビングはできます!

また、水中は宇宙と同じ、無重力状態に近い環境です。水泳は溺れないように泳がねばなりませんが、ダイビングは水中呼吸し、浮力調整するため、泳ぐ必要はありません。


シリンダー内の空気は酸素ではない

シリンダーの写真

ダイビングは水中で呼吸するために酸素ボンベを背負って潜るという印象があるかもしれませんが、大きな誤解です。まず、ダイビング中に使用するシリンダーは「圧縮空気」が入っています。圧縮空気とは大気中にある空気を圧力下でシリンダー内に閉じ込めたものです。つまり、酸素100%入っているわけではありません。もし、酸素100%の空気を吸っていると酸素中毒になります。(酸素中毒についてはこちら)

圧縮空気は大気圧と同じ、窒素78%、酸素20%、その他2%の割合で構成されています。私たちが陸上で生活する際、これらの空気を吸い込む際、割合の最も多い窒素が体内に吸収されます。それらは自然に体外へと放出されるのですが、ここでダイビング中の問題があります。ダイビング下は言わば、圧力下。体外に放出される窒素が放出されず、体内の血液に溶解していきます。実はこれが減圧症の仕組みで、体内に放出される窒素が急浮上によって血管内に残った際、気化し、血流を妨げることで発症します。ゆっくり浮上すれば、窒素はある程度抜けるので問題ありません。


真面目な人が多い

海が好きだからダイビングをするという人はチャラい人が多いんじゃないかと思われるかもしれませんが、案外そうではありません。ダイビングは華やかなイメージがあり、アクティブな方に人気な印象があることは事実です。しかし、水中で会話ができないことやカメラで写真を撮るなどの地味さにギャップを受けてしまうのでしょう。そのため、ダイバーは比較的、大人しい性格の人、真面目そうな人や口数の少ない人が多いです。


水温が28℃以上は熱い

お風呂のお湯の温度を想像すれば、わかりますが、水温28℃は冷たいですよね。しかし、海水で28℃だと暖かく感じます。なぜなら、ウェットスーツがあるからです。ウェットスーツは体温を保温するのに優れた素材・構造をしています。ウェットスーツを着るだけで体感10℃近く、上昇します。驚きですよね…(笑)

ダイビング器材の色々についてはこちら↓

 


ダイビングを上手くなるコツ

スキューバダイビングをやり始めた人は、おそらく海の魅力に囚われると思います(笑)そこから色々なダイビングスポットに潜ってみたいとおもい、ブルーコーナーなんて、憧れだすのは仕方のないことかもしれません。しかし、有名なダイビングスポットは事故がつきものではあります。ショップとしても、事故だけは避けたいと考えているので、初心者ダイバーのスキルがないと判断すれば、危険なポイントには連れて行ってくれないでしょう。

そのため、初心者ダイバーがまずすべきことはダイビングを上手くなることです。この章では、うまくなる方法について解説します。


中性浮力を極める

中性浮力を取る写真

中性浮力(ニュートラル・ボイヤンシー,Neutral buoyancy)とは、ダイバーがいる深度で浮き沈みしない浮力を保つことです。ダイビングスキルの中で、最も重要なスキルのうちの一つと思います。

中性浮力を上手くとるポイントは以下の二つのことに意識しなければなりません。

  1. 自分がいる水深を確認する
  2. 肺の空気・BCDの空気の量を調整する

まず、自分がいる水深を確認するためにはダイブコンピュータを利用します。ダイブコンピュータは時計のような形をしており、右腕の内側に装着します。なぜ、水深を確認する必要があるのか、それは水深によって体感浮力は変わるからです。

もちろん、理科をしっかり学んできた人は、水深によって浮力が変わらないことはご存知かもしれません。しかし、浮力は体積に比例します。水深が深くなると圧力がかかることはご存知だとおもいますが、肺やBCD内の空気にも圧力がかかります。空気に圧力がかかると圧縮されて体積が縮みます。そのため、水深18mでは中性浮力だったのに、水深5mでは中性浮力じゃないなんてことになるわけです。良く分からない人は「浮力は浅い所ほど強くかかる」と覚えておけば問題ありません!

ダイブコンピュータを見て中性浮力を練習しないと海の中では自分の水深がわからなくなるので、3分間の安全停止中などに練習してみるとよいでしょう。


次に、肺の空気・BCD内の空気の量を調整すると言いましたが、先ほどの話の通り、水深・体積によって浮力が変わることは理解していただけたと思います。では中性浮力をとるためにはあなたにかかる重力と浮力をつりあわせる必要があります。中性浮力を取るコツはこちらで詳しく書いてあるのでご覧ください。

関連記事:中性浮力の取り方、取るために初心者ダイバーが気を付けること↓

 

うまく水深にあった浮力を自分の呼吸とBCDで調整出来れば、中性浮力をマスターしたと言えるでしょう。中性浮力をマスターすれば、フィンキックの回数が減るので、かなり疲労が和らぎます。熟練インストラクターが初心者ダイバーよりも疲れずに動き回るのは中性浮力がうまいからなんですね。


短期間に何度も潜る

やはり何事も知識を積み重ねるだけでは、できるようになりません。実際に行動に移し、経験することが大切です。私はアドバンスドオープンウォーターを受けた後、3ヶ月ほどのブランクがありましたが、全くの初心者ダイバーになっていました。そこから、レスキューダイバーというライセンスを目指してトレーニングをしたため、連日20本以上をかけて、中性浮力をマスターしました。

学生だったため、長期休暇を利用してできましたが、社会人の方はそんなにダイビングをするために休みをとれないですよね。それでも、週末に2本だけ近場で潜るなどして、できる限りスキルアップしておく方がよいです。(費用もそれなりにかかると思います。)いざ、海外などに行った時、スキルが無いと判断されれば、難しいポイントには連れていって貰えないでしょう。そちらのほうが、お金が勿体無くありませんか?


バディシステムを理解する

バディシステムとは、ダイビング中にバディ(ペア)を組んだ人とダイビング終了までサポートしあうことです。バディは個人スキルの次に、最も重要な要素の一つです。バディシステムを理解する上で抑えておくポイントは以下の通りです。

  • バディとの距離感は、ガイドが一目で分かる程度を保つ
  • バディが異様な行動を取っている場合、対処する
  • 自分勝手な行動をしない

バディシステムはバディが自分自身の近くにいなければなりません。初心者ダイバーのうちは手の届く範囲にバディがいる距離でダイビングをするように意識してください。なぜなら、緊急時の対処では1分1秒が生死を分けるからです。私は過去のダイビング事故についてのレポートをまとめたことがあるのですが、最も多い事故がバディロストでした。「綺麗な魚を見かけておいかけるうちにはぐれた」「ガイドばかり追いかけていたらバディがいなくなっていた」など理由は様々ですが、そんな些細な理由で自分や自分の周りの人が命の危機にあうのは避けたいものです。バディシステムを理解し、実践していれば、潜水事故は限りなくゼロに近づけられるでしょう。

バディが異様な行動を取っていることに気づくためにはバディの近くにいる必要があります。では、バディの近くにいたとして、バディが何かをこちらにアピールしている際はあなたが行動しなければなりません。よくあるのは、シリンダーがはずれてしまったり、足をつってしまったりして、泳げなくなったのにガイドが気づかず進んでしまっているという状況です。もし、すべきことが分からなければ、バディの代わりにガイドにバディの異変を伝えるだけでも十分です。

ダイビング事故を防ぐためには、ダイバー一人ひとりが自分勝手な行動をしないにつきます。自分勝手な行動とはガイドの指示を無視した行動のことです。ほとんどのダイビングショップでは、「ガイドがすぐに人数確認できる距離にいてください」「エアーが50を切ったらガイドに教えてください」などと事前のブリーフィングで伝えられます。(これを言わないダイビングショップは危険です…)例えば、「エアーが50を切ったけど、まだ大丈夫」なんて勝手に判断してしまうと、カレント(海流)に流され、エアー切れに陥ってしまうなんてことも。綺麗で珍しい魚がいたら、われさきに写真を撮ってやるとむきになる人が一定数います。皆さんはどんな状況でも、譲り合えるダイバーになっていただきたいですね。


スキューバダイビングの危険性

危険マーク

スキューバダイビングは楽しさの反面、危険性を孕んでいるスポーツです。しかし、危険に対する知識を持ち合わせていれば、危険には対処できます。この章ではスキューバダイビングの危険性について色々とお話したいと思います。


減圧症という危険性

減圧症とは急浮上によって体内の血液に溶け込んでいた窒素は気泡となり、血管の流れを阻害してしまうことで起きる症状のことです。(急浮上とは18m/分以上の速さで浮上することです。)減圧症の怖いところは高気圧酸素施設のある医療機関でしか治療する方法がないところです。
スキューバダイビングで用いるシリンダーは圧縮空気を用いています。つまり、地上で呼吸するときと変わらない濃度の空気(窒素78%酸素20%その他2%)を、深海という圧力下で吸引することになります。すると、呼吸と共に、窒素が血液に溶け込んでいきます。その結果、皮膚の変色、手足の痺れ、などの症状が現れ、重症化すると、痙攣、意識障害に繋がり、後遺症が残る危険性があります。

急潜行に問題はありません。(耳のスクイーズさえ気をつければ)。急浮上に問題があるのです。急浮上は肺・BCDの空気のコントロールがカギです。中性浮力がマスターできていないと減圧症のリスクを常に抱えているようなものです。中性浮力は必ずマスターしましょう。


耳のスクイーズの危険性

耳のスクイーズとは、水深の変化によって鼓膜内外の圧平衡が崩れて鼓膜が破れたり異常を起こしたりすることです。これの対処法は「耳抜き」です。耳抜きは初心者ダイバーにありがちなリスクです。耳抜きのやり方がわからずに、痛みを我慢してしまい、鼓膜が破れて病院送り…なんて人も見たことがあります。(鼓膜は再生しますし、死ぬ危険性はほとんどないです)

耳抜きのやり方は以下の手順を試してみてください。陸上でも練習できますので、プール講習や海洋実習の前に数回練習しておくといいですね。

  1. 鼻を親指と人差し指でつまんで、空気の通り道を塞ぐ
  2. 息を吸って、口を閉じる
  3. 鼻をかむ時のように、鼻に空気をゆっくりと送り込む(※)
  4. 耳に「ポコッ」と音が鳴ったら耳抜き完了!

※ゆっくりしないと、逆に耳が痛くなります。空気を徐々に多く送りこんでいきましょう。


肺のスクイーズの危険性

肺のスクイーズとは、肺の中の空気が潜行・浮上の過程で圧平衡を崩し、肺を傷付けてしまうことです。「え!?じゃあダイビング中は呼吸できないんじゃないの!?」と思うかもしれないですが、そうではありません。これは呼吸を止めていた時に起こる話です。

初心者ダイバーは「ダイビング中に呼吸を止めてはいけない」と教わるでしょうが、事実ではありません。本当は「水深が変化する際に呼吸を止めてはいけない(同じ水深では呼吸を止めてよい)」のです。しかし、初心者ダイバーは中性浮力に慣れていないため、同じ水深を維持するのが難しいです。耳・肺のスクイーズが同時に襲ってきたらパニックになるでしょう。そうならないために、「呼吸は止めない」と教えるのです。それを証拠に、水中でマスククリアなどの実演をしてくださるインストラクターさんは空気の泡がほとんど出ていないです。


器材不良による事故の危険性

ダイビング器材は劣化します。特に海水で使用したものは特に傷みやすいですよね。だから、ダイビング器材は年1回オーバーホールをする必要があります。オーバーホールとは、BCDやレギュレーターなどの精密器材を修理することです。

オーバーホールに出さないといざという時に大変なことになります。私はボートダイビングをしていた際、シリンダーのバルブを開いたと同時にレギュレータからエアーが吹き出し、止まらなくなりました。オーバーフローというよくある現象で、レギュレータの口の部分を抑えれば、エアーの吹き出しは止まります。しかし、私の場合は止まりませんでした。急いでシリンダーのバルブを閉め、点検すると空気圧を調整する弁が故障している事が分かりました。結局、予備のレギュレータをレンタルすることになりました。ボートで器材チェックを行なったから分かりましたが、これが、水中で起きていたと考えると恐ろしいです。

器材不良による事故はダイバー自身の責任です。レンタル器材だったとしても、命の危険に関わるのは自分なので、しっかりと器材チェックはしましょう。


海という自然の危険性

海は地球の約7割を占めている塩水というのは周知の事実です。海には波があり、気温差から海流が生まれます。海中は様々な地形があり、様々なカレント(流れ)がうまれます。時にそれらはダイバーに牙をむくことになるのです。ここではダイバーが気を付けるべきカレントに注目してお話します。

カレントとは、海流が地形にぶつかって生まれた流れのことです。特によくあるのが、以下の二つです。

  • 離岸流
  • ダウンカレント

離岸流とは岸に向かって泳ごうとした際に、岸からの流れで岸にたどり着けない流れのことです。これは、岸と平行に泳ぐことで離岸流から抜け出すことで回避できます。

本当に怖いのはダウンカレントです。崖のように急に深くなる地形で海流が崖にぶつかることで、深海に流れていく流れのことです。これは、回避方法について知らなければ、回避出来ないので、必ず覚えておいてください。ダウンカレントに巻き込まれたときは、「崖から離れる」ようにしてください。流れに逆らうのでもなく、崖に捕まるのでもなく、崖から離れることなのです。流れが崖にぶつかることで発生するためです。

波が高いときも注意ですが、それらは現地のガイドが判断してくれるでしょう。しかし、流れは潜ってみないことには分からないです。しっかりとした知識が自分の命を救うのです


海に住む生物の危険性

海にいる生き物たちも様々な危険が潜んでいます。信じられないほど多くの生き物が自己防衛手段を持っているので、有名なところを確認しておきましょう。

日本や海外の有名なダイビングスポットで見られる危険生物(生息域)です。

  • クラゲ,特にカツオノエボシアンドンクラゲ(世界中)
  • エイ(世界中)
  • カサゴ類(世界中)
  • ウミヘビ(世界中)
  • オニヒトデ(サンゴ礁)
  • サンゴ(世界中)
  • イソギンチャク(サンゴ礁)
  • ガンガゼ(世界中)

正直、ここに記載した以外でも、まだまだいます。中でも、注意すべきは赤字です。まず、カツオノエボシとアンドンクラゲはクラゲの中でも猛毒を持つクラゲです。カツオノエボシ(画像左)は餃子のような浮き袋に青色の毒針を垂らしています。アンドンクラゲ(画像右)は傘のような形に4本の触手が伸びていることが特徴です。これらのクラゲは刺されると激痛が走り、痺れて動けなくなってしまいます。しかも、2度刺されたら最後、アナフィラキシーショックで死んでしまいます。刺されたときは海水で洗い流し、すぐに医療機関を受診してください。お酢や淡水で洗い流すと、毒が回りやすくなるので、絶対にしないようにしてください。

カツオノエボシとアンドンクラゲ


次に、ウミヘビですが、全てのウミヘビが毒をもっているわけではありません。ウミヘビには2種類が存在し、魚類のウミヘビ爬虫類のウミヘビです。爬虫類のウミヘビはコブラと同じ、猛毒を持っているといわれており、魚類のウミヘビはウナギやアナゴに近い魚で無毒です。

ウミヘビの写真

セグロウミヘビ(写真上)は爬虫類のウミヘビです。噛まれれば神経毒が身体に回り、命に関わる危険性があります。爬虫類なので、肺呼吸で、ときどき水面に上がって呼吸をします。それも3時間半に1度程度なので、物凄く長い間潜水できる生き物ですよね。シマウミヘビ(写真下)は魚類のウミヘビです。嚙まれて怪我をすることはありますが、死ぬことはないです。魚類のウミヘビはエラ呼吸で水面に上がって呼吸しません。

遠目だけでは判断がつかないので、安易に近づかないようにしましょう。特に水面にいるウミヘビは呼吸のために浮上している危険な爬虫類のウミヘビの可能性があるので、注意してください。


最後に、オニヒトデです。オニヒトデ

オニヒトデはオニヒトデ科の生き物で、棘に毒があります。激痛、吐き気や麻痺などの症状を引き起こし、大変危険です。主食がサンゴであるため、サンゴ礁にいる危険生物です。グレートバリアリーフは大型サンゴ礁ですので、注意が必要です。刺された時はお湯に患部をつけることで症状が和らぎます。(サンゴやイソギンチャク、ヒトデの持つタンパク質系の毒は熱で分解できます)ですが、念のため、医療機関を受診しましょう。

危険生物は近寄らなければ、攻撃してきません。見かけたときは近づいて刺激せず、遠くにゆっくりと離れましょう。危険生物についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。↓

関連記事:ダイバーが気を付けるべき、海の危険生物とその対処法


 

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